代表的なカシミヤ産地
世界のカシミヤの原産国は主に、中国、モンゴル、イラン、インド、アフガニスタン、トルコです。その内、中国のカシミヤ産出量は約世界の70%を占め、品質もイラン、モンゴルなどの国のカシミヤより優れていると言われています。
中国のカシミヤ主産地は、内モンゴル、陝西,宁夏,青海,甘粛,新疆にあり、内モンゴルのカシミヤ年間産出量は中国全国の65%を占め、世界の45%以上を占めています。
中でも高級と言われるホワイトカシミヤを産出する主な地域は、下記の阿拉善、二狼山、阿尔巴斯、罕山、烏珠穆沁があります。北緯度40度~45度にある内モンゴルは、年間の気温と湿度の差、広大な草原を有しているので、品質、細さ、長さがベストなカシミヤが得られます。
阿拉善羊绒【アラシャンカシミヤ】
内モンゴルの最西端に位置するゴビ砂漠が分布する地域の中に介在している草原に約75万頭が生息しています。砂漠地帯のため雨はほとんど降らず、冬季は冷え込みが厳しく、又生息する数が他と比べやや少ないため、このように厳しい生育環境の下で得られた産毛の価値は大変高いです。
二狼山羊绒【ニロウザンカシミヤ】
二狼山のカシミヤ山羊は、内モンゴルの西北部の陰山山脈周辺のゴビ砂漠に約150万頭生息しています。岩肌の多い山と草原、そして砂漠が混じる独自の地理的環境が気温と湿度の差を生み出しています。その過酷な環境から身を守るため、山羊たちは内側により暖かく柔らかな毛を蓄えるようになりました。
阿尔巴斯羊绒【アルバスカシミヤ】
内モンゴル西南部のオルドス草原に約700万頭生息しているカシミヤ山羊。現在の内モンゴルカシミヤ産地の主力の一つです。高い順応性と丈夫な体を持つ阿尔巴斯の山羊は、乾燥した気候から体を守るため、柔らかな産毛を豊富に蓄えています。
罕山羊绒【ハンシャンカシミヤ】
内モンゴル東部草原に約400万頭生息している大型のカシミヤ山羊。罕山は温暖な地域と寒冷な地域の間に位置しており、平原の土壌は良く、良質な水と肥沃な自然が広がり、その養分を豊富に含んだ草を食べて育つ山羊たちは、強靭な肉体と豊かな毛を持っています。
烏珠穆沁羊绒【ウジムチンカシミヤ】
牧畜の盛んな内モンゴル中部の草原に約86万頭生息している大型のカシミヤ山羊。広大な草原で牧民たちが草原の生活を送る、豊かな水と土壌に恵まれた美しい地域。烏珠穆沁は栄養豊富な草を食べて育つ質のよい羊で有名ですが、同じのように丈夫な体と豊かな毛並みを持ったカシミヤ山羊が飼育されています。